ドメインとサーバーを契約したのに「このサイトにアクセスできません」と表示されて困ったことはありませんか?これは、ドメインとサーバーが正しく繋がっていないことが原因です。DNS設定という作業で、この2つを繋げる必要があります。
本記事では、専門知識がなくても理解できるよう、DNS設定の基本的な考え方と手順をわかりやすく解説します。
目次
DNSとは何か
DNS(Domain Name System)とは、ドメイン名とIPアドレスを対応付けて管理するシステムです。インターネット上で、人間が覚えやすいドメイン名(例:www.example.com)を使って、コンピュータが実際に通信するために必要なIPアドレス(例:192.0.2.1)を特定するための仕組みです。
DNS設定とは、このDNSシステムを使って、取得したドメイン名を契約したサーバーのIPアドレスに対応付ける作業のことです。
身近な例で理解しよう
郵便の仕組みに例えると分かりやすいでしょう。
- ドメイン = 住所(「田中太郎宅」という表札)
- サーバー = 土地
- サーバーのIPアドレス = 緯度経度(具体的な位置情報)
- DNS設定 = 住所録に「田中太郎宅は北緯35.6762度、東経139.6503度にある」と登録する作業
- Webサイト = 住宅
郵便配達員が「田中太郎宅」宛の手紙を持っていても、その表札がどの緯度経度(正確な位置)に対応しているかが住所録に登録されていなければ配達できません。同じように、DNS設定が正しくないと、ブラウザが「www.example.com」というドメイン名からサーバーの正確な位置(IPアドレス)を特定できず、Webサイトが表示されません。
なぜ緯度経度(IPアドレス)ではなく住所(ドメイン名)を使うのか?
「北緯35.6762度、東経139.6503度」と覚えるより「東京駅」と覚える方が簡単ですよね。同じように、「192.0.2.1」という数字の羅列より「www.google.com」という名前の方が人間には覚えやすいのです。
DNS設定が必要な理由
ドメインとサーバーは異なる会社で契約する場合も少なくありません。
- ドメイン取得:お名前.comやムームードメインなど
- サーバー契約:エックスサーバーやロリポップなど
この2つのサービスは独立しているため、「このドメイン名はこのサーバーにある」という対応関係を手動で設定する必要があります。
設定しないとどうなるか
DNS設定を行わないと、以下のような状況になります。
- ブラウザにドメイン名を入力しても「サイトが見つかりません」と表示される
- メールアドレスを作成してもメールの送受信ができない
- せっかく制作したWebサイトが誰にも見てもらえない
DNS設定の手順
ステップ1: サーバーの情報を調べる
契約したサーバー会社から「ネームサーバー」という情報を確認します。
例:
- ns1.example-server.com
- ns2.example-server.com
この情報は、サーバー会社の管理画面で確認できます。
ステップ2: ドメインの設定画面を開く
ドメインを取得した会社の管理画面にログインし、「DNS設定」「ネームサーバー設定」「DNS管理」などの項目を探します。
ステップ3: 情報を入力する
ステップ1で確認したネームサーバー情報を、ドメインの管理画面に入力します。これにより、「あなたのドメイン名は、このサーバー会社が指定する場所にある」という情報がインターネット全体に登録されます。
ステップ4: 反映を待つ
設定は即座に反映されません。世界中のDNSサーバーに情報が伝わるまで、24-72時間程度待つ必要があります。
設定が正しく反映されたかの確認方法
DNS設定が正しく反映されたかは、以下の方法で確認できます:
- ブラウザでドメイン名を入力してみる
- 「このサイトにアクセスできません」が表示されなくなれば成功
- まだ表示されない場合は、72時間まで待ってみる
まとめ
DNS設定は、ドメインとサーバーを繋げるために必要な作業です。設定自体は難しくありませんが、反映までに時間がかかることを理解しておくことが大切です。
設定の手順:
- サーバー会社からネームサーバー情報を取得
- ドメイン会社の管理画面で設定変更
- 反映まで待機(最大72時間)
- ブラウザで確認
正しく設定すれば、取得したドメインでWebサイトやメールが利用できるようになります。不安な場合は、各サービスのサポートに相談することをおすすめします。
