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サイトが重い原因と表示速度を改善する7つの方法

サイトが重い原因と表示速度を改善する7つの方法

「サイトの表示が遅くてお客さんが離れてしまう…」「画像が多いせいか、ページを開くのに時間がかかる」そんな悩みはありませんか?

この記事では、サイトが重くなる原因と、今すぐできる7つの改善方法を具体的な手順とともに解説します。専門知識がなくても実践できる内容で、あなたのサイトの表示速度向上に役立ちます。

目次

なぜサイトが重くなってしまうのか

サイトの表示速度は訪問者の第一印象を大きく左右し、Google公式情報によるとページ読み込み時間が1秒から3秒になると、サイトから離れてしまう人が32%増加する傾向にあるようです。

しかし、多くのサイト運営者が「なぜ重くなるのか分からない」「どこから手をつけていいか分からない」という状況に陥りがちです。

参考: Think with Google - Page Load Time Statistics

サイトが重くなる主な原因

サイトの重さを「引っ越し作業」に例えると分かりやすくなります。

  • 画像ファイルが大きすぎる → 重い荷物をそのまま運んでいる状態
  • 古い画像フォーマット(JPEG、PNG)を使用 → 効率の悪い運搬方法を続けている状態
  • 不要なプラグインが多い → 必要のない荷物まで持ち運んでいる状態
  • サーバーの性能不足 → 軽トラックで大型家具を運ぼうとしている状態
  • コードの最適化不足 → 整理されていない荷物で作業効率が悪い状態

つまり、サイトが重い原因は「運ぶもの(コンテンツ)」と「運び方(サーバー・設定)」の両方に問題があることが多いのです。


今すぐできる7つの表示速度改善方法

1. 画像ファイルの最適化

効果的で、実践しやすい改善方法の一つです。

具体的な手順:

  • 画像を適切なサイズにリサイズ(横幅1200px程度が目安)
  • 次世代画像フォーマットへの変換
    • WebP形式: Google公式によるとPNG比26%、JPEG比25-34%削減、幅広いブラウザ対応
    • AVIF形式: 2024年8月にGoogle検索で公式サポート開始、AV1動画圧縮規格に基づくオープン画像ファイル形式
      • JPEG比30-50%程度削減
      • WebP比20-30%程度削減
      • PNG比50%以上程度削減
  • 圧縮ツールを使用してファイルサイズを削減

フォーマット選択のポイント:

  • WebP: 安定性重視・幅広い対応が必要な場合
  • AVIF: 高い圧縮効果を求める場合(フォールバック設定推奨)

効果の目安: ファイルサイズの50〜80%削減が期待できます

2. サードパーティスクリプトと外部サービスの最適化

SNSウィジェットや外部ツール、Google Mapなど、外部リソースが表示速度を大幅に遅延させる傾向にあります。

サードパーティスクリプトの整理:

  • 不要なアクセス解析ツールの削除
  • 複数の似たような機能のスクリプトが重複していないか確認

外部サービスの最適化:

  • Google Mapの埋め込みを画像+リンクに変更(または必要時のみ読み込む)
  • 動画やマップ等の埋め込みを遅延読み込み(Lazy Loading)に設定
  • SNS埋め込みを軽量な代替手段に変更

3. キャッシュ機能の活用

「よく使うものを手の届く場所に置いておく」という考え方です。

4. サーバーの見直し

家の土台となるサーバー選びは表示速度に大きく影響します。

確認ポイント:

  • 現在のサーバーの応答速度測定
  • SSD搭載サーバーへの変更検討
  • CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の導入

5. CSS・JavaScriptの最適化

コードの「断捨離」と考えると分かりやすいでしょう。

具体的な改善策:

  • 未使用のCSSコードを削除
  • JavaScript、CSSファイルのコード圧縮
  • ファイルの読み込み順序の最適化

6. 日本語Webフォントの最適化

日本語Webフォントはファイルサイズが大きく、表示速度に大きな影響を与える要因の一つです。

具体的な改善策:

  • 完全カット: デザイン要求が厳しくない場合はシステムフォントを使用
  • サブセット化: 使用する文字のみを抽出(ファイルサイズを大幅削減)
  • 表示最適化: Google Fonts使用時は&display=swap設定を追加
  • 種類の絞り込み: 複数フォント使用時は1〜2種類に限定

7. 表示速度の測定と改善の確認

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改善効果を数値で確認することが重要です。

おすすめの測定ツール:

参考: 測定結果のスコアは参考値です。実際のユーザー体験は環境により異なりますので、改善前後の変化を重視して判断することをおすすめします。


改善効果を最大化するためのポイント

優先順位をつけて段階的に実施

すべてを一度に行うのではなく、効果の大きいものから順番に取り組みましょう。

推奨の実施順序:

  1. 画像の最適化(効果が期待できる)
  2. サードパーティスクリプトと日本語Webフォントの見直し
  3. その他の細かい調整

定期的な測定と見直し

サイトの表示速度は時間とともに低下する傾向があります。定期的なチェックを習慣化することをおすすめします。


まとめ

サイトの表示速度改善は「大掃除」と同じような感覚で取り組むことができます。不要なものを整理し、効率的な仕組みを整えることで、訪問者にとって快適なサイトを作ることができます。

まずは画像の最適化から始めて、一つずつ改善していきましょう。継続的な取り組みが、長期的なサイトの成功につながる可能性があります。

表示速度の改善は技術的な作業に見えますが、「お客さんを待たせない」という心遣いそのものです。ぜひ今日から実践してみてください!

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くぼ よしゆき
北海道厚岸町生まれ。宮城県仙台市在住。弘前大学大学院理工学研究科(博士前期課程)修了。Web制作会社 → デザイン会社 → 1616。WEBサイトのプランニングから撮影、デザイン、コーディング、CMS導入まで幅広く活動的な感じみたいな。