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サイトハッキング被害から身を守る!基本的な対策と被害を受けた時の対処法

サイトハッキング被害から身を守る!
基本的な対策と被害を受けた時の対処法

サイトがハッキングされるのは自分には関係ないと思いがちですが、最近はそうとも言い切れないようです。もし被害にあったらどうすればいいのか、対策方法もよくわからない…

この記事を読むことで、ハッキング被害の実態や基本的な予防策について理解が深まり、万が一の時にも落ち着いて対応できるヒントを解説します。

目次

ハッキング被害は誰にでも起こりうる問題

「ハッキングなんて大企業の話でしょ?」と考えている方も多いかもしれません。しかし、実際には個人サイトや小規模企業のサイトも狙われる傾向があります。

家の鍵をかけずに外出しないのと同じように、Webサイトにもセキュリティ対策が必要な時代になっています。被害を受けてから「知らなかった」では遅いため、基本的な知識を身につけておくことが大切です。


よくあるハッキング被害の種類と症状

代表的な被害パターン

  • 不正ログイン・改ざん

    • サイトの内容が勝手に書き換えられる
    • 不審なリンクや画像が追加される
  • マルウェア感染

    • 訪問者のパソコンにウイルスが感染する仕組みが埋め込まれる
    • ブラウザで警告が表示されるようになる
  • 個人情報漏洩

    • お客さんの情報やお問い合わせ内容が流出する
    • 管理画面の情報が盗まれる
  • サーバーリソースの悪用

    • 他のサイトへの攻撃の踏み台として利用される
    • サーバーが重くなったり、利用停止になったりする

こんな症状があったら要注意

  • チェックポイント
    • サイトの表示速度が急に遅くなった
    • 見覚えのないページや画像が追加されている
    • Google検索結果で「このサイトはハッキングされている可能性があります」と表示される
    • サーバーの容量使用量が急激に増えた
    • 管理画面にログインできなくなった

日頃からできる基本的な対策

1. パスワード管理の強化

  • 複雑なパスワード:英数字+記号を組み合わせ、14文字以上が推奨される
  • 使い回し禁止:サイトごとに異なるパスワードを設定
  • 定期変更:重要なアカウントは3〜6ヶ月に1回程度の更新が望ましい
  • パスワード管理ツール:覚えきれない場合は専用ツールの利用を検討

2. システムの定期アップデート

  • CMS(更新システム)の更新:WordPressなどは最新版を維持
  • プラグインの更新:不要なプラグインは削除し、必要なものは随時更新
  • テーマの更新:セキュリティパッチが含まれる場合があるため重要

3. バックアップの定期取得

  • 自動バックアップ:可能であれば毎日、最低でも週1回
  • 複数箇所への保存:サーバー内だけでなく、外部サービスにも保管
  • 復旧テスト:バックアップから実際に復旧できるか定期確認

4. アクセス制限の設定

  • 管理画面への制限:特定のIPアドレスからのみアクセス可能にする
  • ファイルアップロード制限:不要な拡張子のファイルアップロードを禁止
  • 多要素認証*2:可能な場合は設定することでセキュリティが大幅に向上

*2 注釈:多要素認証 - パスワードに加えて、スマートフォンのアプリなどで二重チェックする仕組み

5. セキュリティプラグインの導入

  • WAF*3機能:不正なアクセスを自動的にブロック
  • リアルタイム監視:怪しい動作を検知して通知
  • 定期スキャン:マルウェア感染の早期発見

*3 注釈:WAF - Web Application Firewall、Webサイトを守る防火壁のような仕組み


被害を受けた時の対処手順

緊急対応(被害発覚後すぐに実施)

  • サイトの一時閉鎖

    • 被害拡大を防ぐため、まずサイトを非公開にする
    • 「メンテナンス中」ページの表示も検討
  • パスワードの変更

    • 管理画面、FTP(サーバーにアクセスする方法)、サーバー管理画面のパスワードをすべて変更
    • 関連するメールアドレスのパスワードも変更
  • 証拠の保全

    • 改ざんされたページのスクリーンショットを保存
    • サーバーのログファイルを確認・保存(可能な場合)

復旧作業

  • 感染状況の確認

    • セキュリティプラグインやオンラインスキャンツールで感染確認
    • どの程度被害が広がっているかを把握
  • クリーンなバックアップから復旧

    • 感染前の正常なバックアップを使用してサイトを復元
    • バックアップがない場合は、感染ファイルを個別に削除
  • セキュリティ対策の見直し

    • 脆弱性の原因を特定し、対策を実施
    • アップデートの実行とセキュリティ強化

事後対応

  • 関係者への報告

    • お客さんや関係者への状況報告(必要に応じて)
    • サーバー会社への被害報告
  • 再発防止策の実施

    • セキュリティプラグインの導入
    • 監視体制の強化
    • 定期的なセキュリティチェック体制の構築

重要!
技術的な復旧作業が難しい場合は、無理をせずWeb制作会社やセキュリティ専門家に相談することをおすすめします。多くの場合、早期の専門家への相談が被害軽減につながります。

まとめ

サイトハッキング被害は決して他人事ではなく、個人サイトや小規模サイトも標的になる可能性があります。
強固なパスワード管理定期的なアップデートバックアップの取得など、基本的な対策を継続することで、多くの被害を予防できる可能性があります。

万が一被害を受けた場合は、慌てずに段階的な対処を行い、必要に応じて専門家のサポートを受けることが重要です。
まずは今日から、パスワードの見直しとバックアップの確認から始めてみましょう。

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くぼ よしゆき
北海道厚岸町生まれ。宮城県仙台市在住。弘前大学大学院理工学研究科(博士前期課程)修了。Web制作会社 → デザイン会社 → 1616。プランニングから撮影、デザイン、コーディング、CMS導入まで幅広く活動的な感じみたいな。